TENJIN STUDIO

閑静な住宅街に建つ、築60年の民家の改修計画。
建て主は、幼少期から青年までをここで過ごしていましたが、その後は離れて生活し、再びこの古民家に居を移すにあたり、できるだけ既存の雰囲気を残しつつ、快適に生活できるように耐震と断熱・気密性を高めることを希望されました。
改修にあたり、美しい竿縁天井や、木製のサッシ、内部建具など、既存の物をできるだけ再利用しながら、新しく造り替える外壁や壁天井の仕上げなども、既存を踏襲したり倣った素材を使用し、空間を明るく刷新しながらも、時間と共に新しい空間が既存と同化し、馴染むように心がけました。
これまで幾年も風雨や地震に耐えてきた既存の構造を評価して、あえて現在の強固な壁による剛の構造に変えず、これまで同様に柔の動きをするように既存の柱梁に最小限の補強、同様の材料（土壁・珪藻土）を使用して再構築しました。
既存の家屋の、素朴で懐かしい風合いに、程よい新しさと開放性が足されて、景観を変えることなく、居心地良く、快適な性能を併せ持つ唯一無二の住宅が完成しました。

共同設計：sum design

構造設計：ハシゴタカ建築設計事務所

　　施工：キクシマプランニング